サイト制作の要件票。発注前に8項目を紙に書き出す
制作会社やフリーランスに見積りを頼む前に、依頼する側が考えていることを8項目に書き出しておくと、打ち合わせで何を決めればよいかが見えやすくなります。この票に書いただけで要件が固まるわけではなく、予算、機能の詳細、セキュリティ、公開後の保守条件などは、依頼先とのやり取りの中で別に確かめます。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「ユーザのための要件定義ガイド 第2版」の紹介ページは、システムの要件を定義する責任は利用する側(ユーザ)にあると言われていること、システム開発の遅延の過半は要件定義の失敗にあると言われることに触れています(IPA 紹介ページ、確認日2026-09-14)。このガイドはシステム開発全般を対象にしたもので、サイト制作専用の資料ではありません。
使い方
このページをブラウザの印刷機能で紙に印刷し、手書きで記入します。画面上で入力・保存する機能はありません。印刷すると、サイトのメニューやフッターは省かれます。ブラウザの印刷設定で「ヘッダーとフッター」をオフにすると、ページ上下の日付やURLの表示が消えます。
空欄を無理に埋める必要はありません。決まっていない項目は「未定」と書き、誰がいつまでに決めるかを添えておくと、依頼先に相談しやすくなります。
要件票
| 項目 | 書くこと | 記入欄 |
|---|---|---|
| 1. 目的 | サイトで達成したいこと(問い合わせ、来店予約、商品販売など) | |
| 2. 対象読者 | 誰に、どんな状況で見てほしいか | |
| 3. 到達点 | 読者にしてほしい行動。主目的と副目的を分け、優先する順に書く(例:主=購入、副=問い合わせ) | |
| 4. 納品物 | 完成後に受け取るもの(ファイル一式、管理画面のアカウント、ドメインの管理権限など)と、受け取らないもの | |
| 5. 素材 | 自分で用意するもの(写真・文章・ロゴ)と、依頼先に頼むもの | |
| 6. 更新担当 | 公開後に文章や商品を差し替えるのは誰か、どのくらいの頻度か | |
| 7. 期日 | 公開したい日と、原稿・確認・修正の締切 | |
| 8. 完了条件 | どの状態になったら受け取りとするか。確認できる形で書く(例:指定したページが公開され、問い合わせフォームのテスト送信が届く) |
各項目で迷いやすい点
到達点は、ひとつに絞れない場合があります。購入と問い合わせの両方を受けたいなら、どちらを優先するかを決めておくと、ページのどこに何を置くかを依頼先と相談しやすくなります。
納品物は、制作会社の管理画面のまま公開する契約と、ファイル一式を受け取る契約とで、あとで依頼先を変えるときの手間が変わります。受け取れるかどうかは契約内容によるので、見積りの段階で確認します。
更新担当が決まらないうちは、更新の作業を見積りに含めるべきかが判断できません。未定なら、その旨を書いたうえで相談してください。
記入例(架空の店舗を想定)
実在しない洋菓子店を例にします。目的は「誕生日ケーキの予約を増やす」、対象読者は「近隣に住み、ケーキの予約先を探している人」、到達点は「主=電話での予約、副=店舗への道順の確認」、納品物は「サイト一式とドメインの管理権限」、更新担当は「店主が月1回、季節の商品を差し替える」とします。いずれもこの例のための仮定です。
書き出したら、見積りで確認する項目を使い、同じ要件票をもとに複数社の見積りの範囲を揃えて比べてください。